変形性肩関節症



肩の構造
 

・肩関節は肩甲骨の関節窩と上腕骨の骨頭で構成されています。


・肩甲骨の関節面は上腕骨頭の関節面の3分の1しかないため、軟骨間の接触が少なく、軟骨の摩耗は少なくなりますが、反面、関節の支持性は不安定となります。

・その不安定性を補うため、肩関節は大きな関節唇(関節の周りの縁を取り囲むように張付いて、ゴムのような硬度なリングで、骨頭を全体を覆っている線維軟骨)により、関節の安定性を高めています。

・さらに、その周りに腱板や関節包、筋肉、靭帯、腱などが肩関節の安定性を補っています。

・それゆえ、肩関節は他に類を見ない人体で最大の可動域(関節の動き)を有し、外力やストレスが加わりにくい構造になっています。




変形性肩関節症


・変形性肩関節症は、上腕骨頭と肩甲骨の関節窩よりなる肩甲上腕関節の軟骨が摩耗する疾患です。

・一次性(原因がないタイプ)と二次性(原因を有するタイプ)に分かれます。


1)一次性変形性肩関節症

・人間は二足歩行です。

・荷重関節(ウエイトが乗る関節)と非荷重関節(体重が乗らない関節)があります。

・肩関節などの非荷重関節です。

・それゆえ、肩関節は荷重関節(膝関節症、股関節症、足関節症、足関節症、頚椎症など)に比べ、発生頻度は少ないようです。

症状

・肩関節痛や運動障害、
関節水腫(関節内に水が溜まる状態)などです。

診断

・レントゲン検査で
骨頭や関節窩の変形(正常な肩関節)を認めます。

・中には、骨頭と肩峰が接触し腱板断裂を生ずる症例もあります。

・詳細な情報収集にはCTやMRIが必要となります。


治療

1)保存的治療(手術しない治療)

・リハビリテーションが治療の基本です。

・まずリハビリテーションとして
物理療法と運動療法(肩のストレッチング、コドマン体操、筋力強化訓練など)を指導します。

・薬物療法として疼痛緩和に
アセトアミノフェンや炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤、外皮用薬などを処方します。

・慢性化した頑固な疼痛には
トラマドール塩酸塩やデュロキセチンを検討します。

・夜間痛を訴える症例では
ステロイド関節内注射を行います。

・高度の運動障害の症例には
ヒアルロン酸注射を行います。

・また、神経ブロック療法として
肩甲上神経ブロックやトリガーポイントブロックなどを検討します。

2)手術的治療

・重度の肩関節機能障害を認める症例に行われます。

・術式は滑膜切除術や関節形成術や人工肩関節置換術(腱板の機能不全を認める症例ではリバース型人工肩関節置換術)が検討されます。


2)二次性変形性肩関節症

・過去に上腕骨近位端骨折や
上腕骨頭壊死、感染症などの基礎疾患があり、これらが基盤となって二次的に変形が生ずるするタイプです。

・治療は一次性変形性肩関節症と同様です。



 たはら整形外科