膝の側副靭帯損傷



膝の側副靭帯
 
外傷(捻挫や転倒など)やスポーツ活動や交通事故などで発生します。膝の側副靭帯は、膝関節の側方の動揺性(横の不安定性)を制御する作用を有しています。内側側副靭帯と外側側副靭帯があります。外来でよく遭遇する疾患の一つですが、単なる捻挫として見逃されることが多々ある疾患です。



1)内側側副靭帯損傷


内側側副靭帯損傷は膝の靭帯損傷の中で最も頻度の高い疾患です。膝関節に外反力が強制され発生します。

症状

・受傷時に断裂音(ボキッ)を認め、痛みや腫れ、運動制限、歩行障害を訴えます。

・陳旧例(時間の経過した症例)では膝の不安定感(ガクガクする、グラグラする)と訴えます。


診断

・外反ストレスを加えると不安定性を認めます。

・関節穿刺で血腫(関節内に血がたまる状態)を認めます。

・レントゲン検査で
外反ストレスレントゲン撮影(膝伸展位と膝30度屈曲位での外反ストレス)での関節の動揺性(ぐらつき)をチェックし、靭帯損傷の程度を判断します。時に剥離骨折を認めます。

分類

以下に分類されます。

�@軽症例(3〜5mm):健側と比較して動揺性はなく圧痛のみ。

�A中症例(5〜10mm):伸展位での動揺性はなく、30度屈曲位で動揺性を認める。

�B重症例(10mm以上):伸展位と30度屈曲位ともに動揺性を認める。

なお重症例は、大半が
十字靭帯損傷や半月板損傷を合併しております。詳細な情報はMRIが必要です。

治療

1)保存的治療

・受傷直後は
ライスの処置を中心とした物理療法行います。

・疼痛に対して
外皮用薬、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤などを短期間処方します。

・装具療法として(
膝可動域制限付き装具、膝関節用サポーター)、ギプスなどをすすめます。

・リハビリテーションとして運動療法(
膝のストレッチング、股のストレッチング、膝の筋力強化訓練、股の筋力強化訓練を指導します。

2)手術的治療

術式は靭帯修復術や靭帯再建術などです。




2)外側側副靭帯損傷


外側側副靭帯損傷は、膝関節に内反力が強制されて発生します。単独損傷は少なく、大半は十字靭帯損傷や半月板損傷を合併しています。

症状

・膝の外側部に痛みを訴えます。他の症状は内側側副靭帯損傷と同様です。

・
内反ストレスを加えると不安定性を認めます。

診断

・レントゲン検査(内反ストレスレントゲン撮影
)やMRIで確定診断されます。

治療

1)保存的治療

保存的治療は装具療法やギプス固定です。

2)手術的治療

重症例や十字靭帯損傷や半月板損傷を合併した症例は手術的に治療されます。



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