オスグット病
オスグット病は、成長が盛んな小児期にスポーツ活動などによって、膝蓋靭帯の付着部である脛骨粗面に痛みや腫れをもたらす疾患です。10歳〜15歳の男子に多く、サッカーやバレーボール、バスケットボール、陸上競技、野球など全てのスポーツ活動の選手に認められます。90%程度は軸足に発生します。原因は、膝伸展機構(大腿四頭筋‐大腿四頭筋腱‐膝蓋骨‐膝蓋靭帯‐脛骨粗面より構成された筋肉や腱、靭帯)の使い過ぎによって膝蓋腱付着部の脛骨の骨端線(成長線)に炎症を起こして発症します。

症状脛骨粗面の隆起(脹れ)や運動時の痛みです。中には、正座や膝立てをする時に、脛骨粗面が圧迫されて痛みを生じます。診断はレントゲン検査で骨化の異常像や分離した小さな骨片が認められますので容易です。なお、やジャンパー膝などの鑑別(見極め)が必要です。

治療:保存的治療(手術しない方法)を原則です。まず、スポーツ活動を一時中止していただきます。、物理療法外皮用薬の軟膏を用いて股のストレッチング膝のストレッチング股の筋力強化膝の筋力強化を指導いたします。疼痛緩和に短期間のアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤を処方することもあります。再発防止にオスグット用サポーターの着用を勧めます。運動後はライスの処置を行います。難治例によってステロイド注射を検討します。

しかし、骨化異常や骨片が転位(ずれる)が悪化する症例は、短期間のギプス包帯可動域制限付き膝装具を検討します。大半は脛骨の成長が止まる17歳前後に自然治癒(自然に治る)いたします。なお、長期にわたって痛みを訴え、スポーツ復帰が困難な症例は手術的治療(骨片摘出術や周囲の軟部組織と滑液包を摘出する手術)が検討されます。

 たはら整形外科