ジャンパー膝
膝伸展機構
膝伸展機構とは膝を伸ばす時に使う筋肉や腱、靭帯を言います。「大腿四頭筋」‐「大腿四頭筋腱」‐「膝蓋骨」‐「膝蓋靭帯」‐「脛骨粗面」により構成されています。膝伸展機構の障害には膝蓋骨の上部に痛みを認める大腿四頭筋腱炎と、膝蓋骨の下端に骨片や骨化異常、石灰像を認めSinding-Lasen-Johasson病と、膝蓋靭帯に痛みを認める膝蓋靭帯炎とがあります。これらの障害をジャンパー膝と呼んでいます。

ジャンバー膝
ジャンバー膝とは、ジャンプやキック、急激なストップ動作を繰り返すスポーツ活動によって起こる膝蓋骨(お皿)を中心とした痛みを総じた疾患です。膝伸展機構の使い過ぎによって発生します。バレーボール、サッカー、バスケットボール、体操などの選手によく認められます。症状は膝蓋骨周辺の痛みです。痛みは運動時に増悪し、安静にて軽快します。診断にレントゲン検査が不可欠です。鑑別(見極める)疾患としては有痛性分裂膝蓋骨オスグッド病タナ障害などがあります。
治療:保存的治療(手術しない方法)が原則です。まずスポーツ活動を一次中止していただきます。物理療法股のストレッチング膝のストレッチング股の筋力強化膝の筋力強化を指導いたします。再発防止のためにジャンパー膝のサポータの使用を勧めます。運動後にはライスの処置を指導します。しかし、骨片や骨化異常があり、これらの治療が無効な症例は、安静目的にギプス包帯可動域制限付き膝装具を検討します。なお、手術的治療を必要となる症例は殆どありません。

 たはら整形外科