有痛性分裂膝蓋骨

分裂膝蓋骨とは
先天的に膝蓋骨(お皿)が2つ以上に分裂している状態(分かれている状態)を言います。全く症状を認めない無痛性分裂膝蓋骨と、痛みなどの症状を認める有痛性分裂膝蓋骨に分かれます。
分裂膝蓋骨の大半は二分膝蓋骨(お皿が2つに分かれている)です。時に三つ以上に分裂している膝蓋骨も見かけることもあります。多くは膝蓋骨の外側上部に小さな骨片として存在いたします(稀に、膝蓋骨下部に認められることもあります)。男の子に多く、大半は無症状に経過します。


有痛性分裂膝蓋骨
スポーツ活動や打撲などをきっかけに分離部にストレスや炎症が加わると痛みなどの症状を起こします。大半は膝蓋骨の外側上部の痛みです。痛みは運動にて増悪し、安静にて軽快します。診察では分裂部に圧痛と腫脹を認めます。診断はレントゲン検査で確定されます。しかし撮影条件によっては分裂骨片と大腿骨が重なりあって発見できないこともあります。必ず軸写像を追加することが大切です。

治療
保存的治療(手術しない方法)と手術的治療があります。
1)保存的治療
スポーツ活動を極力制限していただき、
物理療法や運動療法(股のストレッチング膝のストレッチング股の筋力強化膝の筋力強化)を指導いたします。また膝蓋骨制限付きサポータージャンパー膝サポーターの着用を勧めます。改善されない症例は分離部にステロイド注射を試みます。

2)手術的治療
再発を繰り返す症例が対象です。術式は外側支帯切離術(骨片についている大腿四頭筋腱の一部を切離して骨片にかかるストレスを減弱される方法)や骨片摘出術(分裂骨片を摘出する方法)や骨接合術(分裂した骨をつなぐ方法)があります。しかし骨接合術は骨がつくまでに時間を要し、さらに再骨折の可能性もあるため、一般的に外側支帯切離術や骨片摘出術が選択される傾向にあります。



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