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足関節捻挫について 足首に内反力や外反力が強制されて軟部組織や靭帯が損傷される疾患です。足首の靭帯は脛腓靭帯、外側側副靭帯(前距腓靭帯・後距腓靭帯・踵腓靭帯)、内側側副靭帯(三角靭帯)などがあります。これらの靭帯によって足首の安定性が保たれています。足関節捻挫は3つのタイプに分かれます。 ●単なる捻挫のタイプ 靭帯損傷や剥離骨折のないタイプです。症状は足首の痛みや腫れ、皮下出血、足部の不安定感、歩行障害です。 ●靭帯損傷のあるタイプ 脛腓靭帯損傷、外側側副靭帯損傷、内側側副靭帯損傷などがあるタイプです。大半は内反が強制されて起こる外側側副靭帯損傷で、特に強度の弱い距腓靭帯損傷をよく見かけます。診断はレントゲン検査と超音波検査です。レントゲンではケガをした時の足首の状態を再現したストレスレントゲン撮影が診断に有益です(断裂例)。また、超音波検査は動的に損傷部を観察できるため有益な情報を与えてくれます。 ●剥離骨折のあるタイプ 外果剥離骨折と内果剥離骨折などあるタイプです。大半が内反(内返し)が強制されて起こる外果剥離骨折です。診断の際にストレスレントゲン撮影で判明することが多々あります。時に外反(外返し)が強制されて起こる内果剥離骨折も経験します。また陳旧性外果剥離骨折(過去に骨折したタイプ)もありますので注意深く観察が必要です。まれに距骨骨軟骨障害を認めることもあります。疑わしければMRIで精査して下さい。 治療 1)保存的治療 受傷直後はライスの処置を行います。疼痛緩和に外皮用薬やアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤などを短期間処方します。軽症例ではサポーター固定、中症から重症例はギプス包帯(足関節外果剥離骨折など)やギプスシーネを行います。なお、骨や筋肉の萎縮(衰え)を防ぐためにギプスのまま歩行を許可します。固定期間は損傷の程度に応じて2〜4週間程度とします。固定後は早期より足首のストレッチングや膝の筋力強化、足首の筋力強化(特に外返しの訓練)などの運動療法をを指示します。 2)手術的治療 重症例や早期スポーツ復帰を希望される症例、複合靭帯損傷例が適応となります。術式は縫合術や靭帯再建術を検討します。足関節捻挫は的確に診断し治療しないと、将来、変形性足関節症を招きロコモへと進展するので要注意です。 ●よく患者さんから「テーピングはいかがですか?」とお尋ねがあります。テーピングは皮膚にします。骨や靭帯にするわけではありません。15分程度のスポーツ活動をすると、粘着力が落ち、固定力がなくなります。靭帯損傷や剥離骨折の症例にはお勧めできません。なお小児の足関節捻挫はこどもの整形外科を参照されて下さい。
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