梨状筋症候群について 梨状筋(りじょうきん)症候群とは、坐骨神経が骨盤から足先へ下降する際に、骨盤の出口に存在する梨状筋の筋肉や腱が坐骨神経を圧迫して起こる疾患です。外傷(臀部打撲や股関節捻挫など)によって発生する場合とスポーツ活動によって発生する場合があります。 症状・診断 症状はお尻の痛みや足先へ放散する痛み、シビレです。レントゲン検査で特徴的な所見を認めません。診断は梨状筋周囲に局所麻酔剤を注入して、症状が軽快されれば確定されます。なお、同様な症状を呈する疾患として腰椎椎間板ヘルニアがありますので鑑別(見極め)が必要です。 治療 1)保存的治療(手術しない方法)が原則です。 誘因となった日常生活動作やスポーツ活動を極力制限していただきます。疼痛緩和に物理療法、アセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド系性炎症剤、外皮用薬やビタミンB12製剤、筋弛緩剤、神経障害性疼痛薬などを処方します。改善されない症例は神経ブロック療法として坐骨神経ブロック(梨状筋ブロック)を試みます。治療目的や予防に運動療法として股関節のストレッチングや腰部のストレッチングを指導します。 2)手術的治療 保存的治療で改善されない症例は梨状筋切離術が検討されます。
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