硬膜外ブロックは硬膜外腔に局所麻酔剤や生理食塩水、抗炎症剤を注入することによって末梢神経や交感神経をブロックして疼痛やしびれを緩和する治療法です。その手技は、硬膜と黄色靭帯の数ミリの間隙(すきま)に薬液を注入します。 神経ブロックとは痛みの原因となる知覚神経線維や運動神経線維、交感神経線維の異常な緊張や興奮を取り除き、その神経が支配している領域の痛みを断ち切る治療法です。末梢神経のうち知覚神経線維がブロックされると疼痛が緩和され、運動神経線維がブロックされると筋弛緩作用がもたらされ、交感神経がブロックされると末梢の血管が拡張し血行が改善されます。 頚部硬膜外ブロックでは、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症などが適応となります。胸部硬膜外ブロックは、胸椎椎間板ヘルニアや帯状疱疹後の神経痛などが適応となります。腰部硬膜外ブロックや仙骨部硬膜外ブロックでは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症などが適応となります。
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