アキレス腱炎



・アキレス腱は人体で最大の腱です。アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋が合体し下腿三頭筋となり、踵骨(かかと)隆起に付着します。

・アキレス腱が炎症を起こす疾患にアキレス腱炎、アキレス腱周囲炎、アキレス腱滑液包炎、アキレス腱石灰化症などがあります。


1)アキレス腱炎

アキレス腱が微細な部分断裂によって炎症を起こした状態です。


2)アキレス腱周囲炎

アキレス腱周囲の結合組織であるパラテノンが炎症を起こした状態です。パラテノンとはアキレス腱の表層にありアキレス腱に血流や栄養を促しています。


3)アキレス腱滑液包炎(アキレス腱付着部炎)

アキレス腱付着部周辺にある
滑液包が炎症を起こした状態です。滑液包とは小さな袋の中に滑液が存在し、アキレス腱の衝撃を吸収し摩擦を軽減する作用があります。

4)アキレス腱石灰化症

アキレス腱の中や周囲に石灰が沈着した状態です。
体質的要因やスポーツ活動、靴などの慢性的な刺激で生ずると考えられています。

症状

・痛みや腫れ、運動障害、歩行障害です。

・アキレス腱石灰沈着症は激痛を訴え受診されます。

・所見としてアキレス腱の圧痛や肥厚、足首の運動制限を認めます。

診断

・レントゲン検査では特徴的な所見はありません。

・アキレス腱付着部炎ではアキレス腱付着部の骨棘(骨のとげ)を認めることもあります。

・アキレス腱石灰化症では石灰化像を認めます。

・超音波検査は有益です。アキレス腱の肥厚や癒着、滑液包炎、石灰などが確認できます。


治療

1)保存的治療

・アキレス腱炎が慢性化しないため早期に適切な予防や処置を行います。

・運動の直後は
アイシングとストレッチングが大切です。

・誘因となったスポーツ活動や作業を極力制限していただきます。

・物理療法や運動療法(足首のストレッチング、アキレス腱のストレッチング、足首の筋力強化、アキレス腱の筋力強化)を指示します。

・炎症緩和に
非ステロイド性抗炎症剤、外皮用薬を処方します。

・難治例では
ステロイド注射を検討します。

・再発を繰り返す症例は安静目的のために
ギプス包帯やギプスシーネ,、短下肢装具をすすめる症例もあります。

2)手術的治療

・保存的治療で改善されなければ手術を検討します。

・術式は病巣掻把術(瘢痕化した組織の切除)や滑液包摘出術、石灰摘出術を検討されます。



 たはら整形外科