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アキレス腱について アキレス腱は人体で最大の腱です。アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋が合体し下腿三頭筋となり、踵骨(かかと)隆起に付着します。アキレス腱が炎症を起こす疾患としてアキレス腱炎、アキレス腱周囲炎、アキレス腱滑液包炎、アキレス腱石灰化症などがあります。 ●アキレス腱炎 アキレス腱が微細な部分断裂によって炎症を起こした状態です。 ●アキレス腱周囲炎 アキレス腱周囲の結合組織であるパラテノンが炎症を起こした状態です。パラテノンとは、アキレス腱の表層にありアキレス腱に血流や栄養を促しています。 ●アキレス腱滑液包炎(アキレス腱付着部炎) アキレス腱付着部周辺にある滑液包(滑液が入った小さな袋で、アキレス腱の衝撃を吸収し摩擦を軽減する作用がある)が炎症を起こした状態です。 ●アキレス腱石灰化症 アキレス腱の中や周囲に石灰が沈着した状態です。明らかな原因は不明ですが、体質的要因、スポーツ活動、靴などの慢性的な刺激で生ずると考えられています。 症状・診断 症状は痛みや腫れ、運動障害、歩行障害です。なおアキレス腱石灰沈着症では激痛を訴え受診されます。所見としてアキレス腱の圧痛や肥厚、足首の運動制限を認めます。レントゲン検査では特徴的な所見はありませんが、アキレス腱付着部炎ではアキレス腱付着部の骨棘(骨のとげ)を認めることもあります。アキレス腱石灰化症では石灰化像を認めます。超音波検査ではアキレス腱の肥厚や癒着、滑液包炎、石灰などが確認できます。 治療 1)保存的治療 アキレス腱炎が慢性化しないためには早期の適切な処置が必要です。運動直後はアイシングとストレッチングが大切です。誘因となったスポーツ活動や作業を極力制限していただきます。物理療法や運動療法(足首のストレッチング、アキレス腱のストレッチング、足首の筋力強化、アキレス腱の筋力強化)を指示します。炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤、外皮用薬を短期間処方します。慢性化した症例はステロイド注射を検討します。また再発を繰り返す症例では、アキレス腱に負担をかけない目的でギプス包帯、ギプスシーネ,、短下肢装具をすすめる症例もあります。 2)手術的治療 保存的治療で改善されなければ手術を検討します。術式は病巣掻把術(瘢痕化した組織の切除)、滑液包摘出術、石灰摘出術をを行います。
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