モートン病

モートン病は、内側、外側足底神経の枝である総底側趾神経が中足骨骨頭と横中足靭帯に圧迫されて起こる障害です。名称由来は最初にトーマスモートン氏が報告したからです。原因はハイヒールの使用や窮屈な靴での長時間の作業やスポーツ活動で足指が過伸展(過度に伸ばされる状態)を強いられ、総底側趾神経が圧迫されて起こります。時に、ガングリオンによって生じた症例を経験します。中年の女性に多く、すべての趾間(足の指と指の間)に発生しますが、形態的に第3趾‐第4趾間によく認められます。

症状:痛みとシビレです。痛みは締めつけられるような、刺すような、焼けるような異常な痛みを訴えられます。これらは長時間立位や歩行、スポーツ活動で増悪し、休憩で軽快します。病態が進行すると安静時痛や夜間痛を訴えられます。

治療:前足部(中足骨、趾骨)を圧迫しない靴選びを指導します。また、物理療法筋力強化訓練を指示します。疼痛緩和にアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤外皮用薬を処方します。頑固な症例はステロイド注射を検討します。再発を繰り返す症例はインソール(中足骨骨頭部に圧がかからないようにする中敷き)を着用していただきます。これらの保存的治療(手術しない方法)で改善されない症例は、手術的治療を検討します。術式は総底側趾神経を圧迫している横中足靭帯を切離し、癒着している神経を剥離します。

 たはら整形外科