足底腱膜炎
足底腱膜
足底腱膜は足底の筋肉や腱を保護している腱様組織です。踵骨(かかと)より発し、足趾(足の指)の基節骨の底部に付着します。内側足底筋膜(母趾の筋肉を覆う筋膜)と外側足底筋膜(小趾の筋肉を覆う筋膜)と足底腱膜の3つに分かれます。

足底腱膜炎とは、足底腱膜が何らかの原因で炎症を起こし痛みをもたらす疾患です。原因として、スポーツ活動や作業、肥満などによる足底腱膜への慢性的な刺激が考えられます。症状は起床時の第一歩目の踵や前、中足底部の痛みです。痛みは歩行するに連れ、次第に軽くなるのが特徴です。しかし、慢性化すると歩行時痛や夜間痛を訴えます。レントゲン検査では特徴的な異常所見を認めませんが、時に、踵骨棘(かかとの骨のとげ)を認めます。

治療:原因となったスポーツ活動や作業を出来るだけ中止していただきます。疼痛緩和にアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤外皮用薬などを処方します。また。物理療法を指示し外皮用薬の軟膏剤を用いてマッサージやストレッチを行っていただきます。運動療法としてストレッチング(足首アキレス腱)や筋力強化(足首アキレス腱)を指導します。なお、再発を繰り返す症例や早期スポーツ復帰を望まれる症例は、インソール(疼痛部に体重が乗らなくする中敷き)を検討します。痛みの強い症例には、ステロイド注射を試みます。6ヶ月以上の保存的治療で改善されない症例は、体外衝撃波治療が効果があると言われています。これらで改善されない症例は、鏡視下足底腱膜切離術や骨棘切除術が検討されます。

 たはら整形外科