いわゆる肉離れ

肉離れは、スポーツ活動中やちょっとした日常生活動作で、筋繊維や筋膜の一部が、一瞬にして伸展(伸び)ながら、同時に強烈に収縮(ちぢむ)して、筋肉が部分的に断裂する状態を言います。原因として、筋肉の柔軟性の低下や慢性の筋肉疲労、運動過多、ビタミンやミネラルのアンバランスなどが考えられます。肉離れの大半は、下肢に好発し、大腿四頭筋、ハムストリングス、腓腹筋などに多発します。若年者は大腿四頭筋やハムストリングスに、中高年者は腓腹筋によく見られます。腓腹筋の肉離れは大半が内側です。

症状:痛みや腫れ、皮下出血、歩行障害です。診察では圧痛や陥凹(損傷部位を指で押さえるとへこむ状態)を認めます。超音波検査で筋繊維の腫れや断裂、筋膜の損傷、筋肉内や筋膜周辺に血種(血の塊)を認めます。

治療:受傷直後は3日間のライスの処置を行います。疼痛緩和にアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤外皮用薬などを処方します。また、損傷した筋繊維の回復を促すために、物理療法や早期のストレッチング(大腿四頭筋、ハムストリングス、腓腹筋)や筋力強化(等尺性運動、等張性運動)を指導します。スポーツ復帰は軽症で数週間、重症では数ヶ月間を要します。

 たはら整形外科