腰椎症性変化とは 腰椎症性変化とは、加齢や不良姿勢 (正常な姿勢、脊椎全体の姿勢)、打撲、捻挫、スポーツ障害などにより腰椎が退行変性(老化現象)を生じた状態を言います。腰椎症性変化には、椎間板の変性や椎間関節の変性、靱帯の変性などがあります。なお、腰椎の解剖に関しては腰椎の解剖の項を参照されて下さい。 ●椎間板の変性 椎間板は線維輪と髄核で構成され、衝撃吸収作用(クッションの役割)を担っております。椎間板は20歳代になると脱水化現象を生じ、加齢的変化(変性)が始まります。変性は、まず外側の線維輪に起こり線維輪に亀裂(ヒビ)を発生させます。亀裂は次第に内側の線維輪におよんで髄核の変性をもたらします。やがて椎間板は空洞化し(スカスカになる状態)、狭小化(つぶれる状態)し、椎体の不安定性(ぐらぐらしたり、ずれたりする状態)をもたらします。その結果、椎間板のクッション効果が弱体し、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、変形性脊椎症などを発生させます。 ●椎間関節の変性 椎間関節は加齢的な変化や軽微な外傷の繰り返しによって炎症を生じます。その結果、椎間関節の関節包(関節を囲んでいる袋)が弛緩(ゆるみ)、肥厚し、変性を起こします。やがて関節軟骨の変性や摩耗が始まり、次第に椎間関節が変形(CT像)して腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症、変形性脊椎症などの原因となります。 ●靭帯の変性 腰部の靭帯(前縦靭帯や後縦靭帯、黄色靭帯、棘上靭帯、棘間靭帯など)が加齢的な変化や慢性の機械的刺激により肥厚や変性、骨化現象を生じ、色々な腰椎の疾患を発生させます。
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