腰椎横突起骨折

腰椎横突起骨折は、腰部の外傷(ケガ)の際によく見られます。横突起は、肋骨が退化したものです。第1腰椎から第5腰椎の椎体の左右に5つ存在します。腰椎横突起骨折は全ての年齢層に認められますが、特に、スポーツ外傷や交通事故、喧嘩、転落などの外傷で見られる青壮年者で経験します。好発部位(よく起こる部位)は第3腰椎の横突起ですが、大半は多発性(2つ以上の骨折)です。

症状:腰部の痛みと運動時痛です。肋骨骨折の症状とほぼ同様です。肋骨骨折に比べ、呼吸性の痛み(深呼吸や咳よる痛み)は少なく、腰部の運動や腹式呼吸、寝返りで痛みが増強します。時に、尿路損傷の発生を認めることもあります。診察では骨折した横突起部位に著明な圧痛を認めます。診断はレントゲン検査で容易です。

治療:保存的療法です。手術的治療はいたしません。疼痛緩和にアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤外皮用薬などを処方し、ダーメンコルセット簡易コルセットで腰部を安静固定します。一般的に、痛みは3週間程度で軽快し、骨癒合(骨がつくには)には2〜3ヶ月間を要します。疼痛が改善されれば腰部のストレッチング筋力強化訓練の指導をします。

 たはら整形外科