神経ブロック療法

神経ブロックとは、痛みの原因となる知覚神経線維や運動神経線維、交感神経線維の異常な緊張や興奮を取り除き、その神経が支配している領域の痛みを断ち切る治療法です。

1)知覚神経線維がブロックされると、患部の疼痛が緩和されます。
2)運動神経線維がブロックされると、筋弛緩作用がもたらされます。
3)交感神経がブロックされると、末梢血管が拡張し血行が改善されます。

使用する薬剤は局所麻酔剤です。疼痛が強い症例には抗炎症剤などを併用します。局所麻酔剤と言うと、短時間の痛み止めと思われるかも知れません。確かに、抜歯後や皮膚を縫合する際に皮下に局所麻酔剤を打つと1〜2時間程度の効果しか得られません。

しかし、
末梢神経や交感神経節の周囲に局所麻酔剤や抗炎症剤を浸潤させると、末梢血管は拡張し局所の血行が改善され、組織内の酸素が豊富になり、悪玉の交感神経線維がブロックされて悪循環に陥った痛みの反射が断ち切られ、長期間にわたり痛みが緩和されます。現在、神経ブロック療法は約25種類程度あります。整形外科領域でよく行われる神経ブロックを紹介します。


トリガーポイントブロック


星状神経節ブロック



腕神経叢ブロック



肩甲上神経ブロック



硬膜外ブロック



神経根ブロック



椎間関節ブロック



分離部ブロック



坐骨神経ブロック


 
肋間神経ブロック


たはら整形外科