種子骨障害

種子骨
種子骨は、先天的に発生した小骨片で、関節包の周囲や腱などの中に存在して摩擦の軽減に関与しています。母趾の種子骨は、短母趾屈筋腱の中に存在し、一般的に親指の根元に2個あります。その作用は長母趾屈筋腱を保護し、歩行時に母趾にかかる負担を軽減する役割を担っています。

種子骨障害
種子骨障害とは、何らかの原因で種子骨周辺に痛みが生じた状態を言います。原因は、先天的な場合(種子骨が2つに分裂している二分種子骨)と、スポーツ活動によって起こる疲労骨折と、滑液包炎や腱鞘炎などによって起こる場合があります。症状は母趾球部の痛みと腫れです。レントゲン検査では種子骨の二分化疲労骨折などの異常所見を認めます。

治療:原因となったスポーツ活動や作業を一次中止していただきます。物理療法を指示し、疼痛緩和に短期間のアセトアミノフェン、炎症緩和に外皮用薬非ステロイド性抗炎症剤などを処方します。頑固な症例はインソール(種子骨部に体重がかからない状態にする中敷き)を装着していただきます。疼痛の強い症例はステロイド注射を検討します。大半はこれらの治療で改善します。手術的治療(形成術、摘出術)が必要となる症例は稀です。

 たはら整形外科