抗リウマチ剤とは 関節リウマチの究極的な治療目的は関節の破壊を防ぐことです。従って、出来る限り早期に関節リウマチを診断し、治療を行う事が大切です。抗リウマチ剤(DMARDs)とは、別名、「疾患修飾抗リウマチ剤」、「遅効性抗リウマチ剤」、「寛解導入剤」などと呼ばれ、免疫の異常を正常化したり調整して、関節の炎症を沈静化させ関節の破壊を抑える薬です。あくまで関節リウマチを寛解の状態(良い状態)に導くのであって、完治させる薬ではありません。 種類 抗リウマチ剤は免疫調整剤と免疫抑制剤に分かれます。抗リウマチ剤は関節の破壊を遅らせ、寛解に導く薬で、消炎鎮痛作用(炎症を止めて痛みをとる作用の非ステロイド系抗炎症剤やステロイド剤など)はありません。一般的に効果発現まで数ヶ月を要します。現在、日本では11種類の抗リウマチ剤が使用可能となっております。 1.免疫調整剤 正常な免疫に悪影響を与えず、異常な免疫を正常化するお薬です。 金塩類(商品名シオゾール)やオーラノフィン(リドーラ)、ブシラミン(リマチル)、ペニシラミン(メタルカプターゼ)、ロベンザリット(カルフェニール)、アクタリット(オークル・モーバー)、サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN)があります。 2.免疫抑制剤 異常な免疫も正常な免疫も、抑制する作用を有するお薬です。 ミゾリビン(商品名ブレディニン)やメトトレキサート(リウマトレックス)、レフルノミド(アラバ)、タクロリムス(プログラフ)があります。 新薬への期待 日本でまだ保険適応外ですが、米国や欧米などではアザチオプリン(イムラン・アザニン)やシクロスポリン(サンディミュン・ネオーラル)、シクロフォスファミド(エンドキサン)などの抗リウマチ剤が使用されており、効果が認められると言う報告があります。さらに、抗マラリア剤のヒドロキシクロロキンや抗生物質のミノサイクリンなども承認され使用されているのが現状です。一刻も早い、日本での使用許可が待たれるところです。 副作用 しかし、いずれの抗リウマチ剤においても程度の差こそあれ、色々な副作用を有しておりますので、使用にあたっては慎重な適応と定期的な副作用のチェックが必要です。必ず、数ヶ月に一度は副作用のチェックとして、定期的に血液検査(末梢血一般・肝機能・腎機能など)や尿検査、便潜血反応検査、胸部のレントゲン検査を行って頂きたいと存じます。
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