骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に、骨密度測定(骨塩定量)が用いられます。測定方法はDXA法やMD法、超音波法があります。これらの中では最も精度が高いのはDXA法です。 DXA法とは2重エネルギーX線吸収測定法と言われ、二種類のX線を人体に照射しその吸収差によって二次元的に単位面積あたりの骨量を測定する方法です。日本骨粗鬆症学会や日本骨代謝学会ではDXA法の腰椎と大腿骨近位部の同時測定が推奨されています。 ただし、腰椎では加齢的な骨変化や脊椎圧迫骨折の有無、腹部大腿動脈の石灰化などの存在で、大腿近位部では変形性股関節症や大腿骨近位部骨折などの既往症があるとデータに大きな誤差が生じます。したがってDXA測定の前に、必ず腰椎の正面像(股関節を含めて)と側面像を撮像して、これの異常をチェックし骨密度値を判断します。 なお、MD法は階段状のアルミニウム板と第2中手骨をレントゲンで同時撮影し、アルミニウムと中手骨(骨幅・骨皮質幅・骨髄幅)の陰影濃度を比較する方法です。超音波法は超音波を踵(かかと)に照射し、その伝導速度や減衰率を測定する方法です。
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