踵骨骨折



踵骨骨折について


踵骨骨折は高所より転落したり、飛び降りた際に
踵(かかと)へ長軸方向の外力が加わって発生します。軽度な骨折もありますが、大半は圧迫骨折粉砕骨折になりやすく、治療が難しい骨折の一つです。また骨粗鬆症を有する高齢者では歩行するだけでいつの間にか踵骨の疲労骨折を来す症例も経験します。一方、若年者では強い外力で発生します。しかし中には、繰り返しのスポーツ活動で踵骨に慢性的な刺激が加わり、疲労骨折される若者もおられます

症状・診断
症状は踵(かかと)の激痛や腫れ、皮下出血、足部の変形、歩行困難を認めます。疼痛が著明で歩行はつま先立ちです。診断はレントゲン検査(側面像と軸写像)で確定されます。


治療
1)保存的治療(手術しない方法)が原則です。
転位(ずれ)が軽度な症例は
ギプスシーネで経過観察します。転位が中程度の症例は徒手整復術を行います。徒手整復術は患者さんを腹仰位(腹ばい)にして下腿から足先までギプス包帯を巻き、ギプスが乾かない内に両手の平で踵を圧迫して内ひねり、外ひねり、牽引して整復します。後遺症(疼痛や足部の変形)は距踵関節(踵骨と距骨の関節面)の損傷(ずれ)の程度で決まります。出来るだけ解剖学的な位置に戻すこと(距踵関節面を整えること)が大切です。

整復後は早期にリハビリテーションを開始します。踵骨は海綿骨が豊富なため短期間の固定でも容易に骨萎縮(骨が痩せる状態)を起こします。そのため早期より骨萎縮の予防するためにギプス内で下腿や足趾の等尺性運動を指導します。その後足底板免荷装具を着用していただき、徐々に荷重歩行(体重を乗せての歩行)を開始させます。時に高度な変形や偽関節(骨がつかない状態)のために後脛骨神経枝が圧迫されて足根管症候群を来すことがありますので要注意です。

2)手術的治療
関節面の転位が高度な症例に行われます。術式は
経皮的骨接合術(ピンや釘のような器具で皮膚の上から骨折部を固定する方法)内固定術(皮膚を切開してプレートなど骨をつなぐ方法)などが検討されます。不幸にして距踵関節の不適合のために痛みが長期続く症例では関節固定術が必要となることもあります。


 たはら整形外科