リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の高齢者によく見られます。首の病気や肩の病気、関節リウマチと思われて整形外科を受診されることが多々あります。症状は急に発生する両肩痛や両上腕近位部痛、骨盤周囲の疼痛、両大腿近位部痛です。時に、上下肢の遠位端での発症も経験します。診断はレントゲン検査で特徴的な所見はなく、超音波検査で滑液包炎の所見があれば疑われます。血液検査では、CRP高値と軽度な白血球増多を認めますが、リウマトイド因子や抗CCP抗体、抗核抗体、MMP-3などは陰性です。

治療は1週間程度プレドニゾロン10mgを投与し、改善効果を認めれば、1か月間で1mgづつ減量していきます。ステロイド使用が困難な症例は、MTX(メトトレキサート)を検討します。なお、悪性腫瘍などが背景にあることも多く、診断には慎重を要します。鑑別疾患として関節リウマチ頚椎症頚肩腕症候群肩関節周囲炎腱板損傷石灰性腱炎などですが、いずれも大半は片側発症例ですので鑑別(見極め)は比較的容易だと思います。

 たはら整形外科