蜂窩織炎・壊死性筋膜炎
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、細菌感染によって起こる皮膚と皮下組織の感染症です。原因となる細菌は主にレンサ球菌と黄色ブドウ球菌です。感染源は皮膚の損傷(外傷、皮膚炎、皮膚真菌症など)によって発生する場合と、感染源が全く特定できない場合とがあります。好発部位(よく起こる部位)は大腿部下腿部足背部前腕部です。

症状は痛みや脹れ、熱感、紅斑です。時に、感染巣が悪化すると、細菌が筋膜に沿って拡大し、皮下組織に進行し、水泡形成や皮膚硬結、皮膚知覚障害、壊疽などを認め、広範囲に組織壊死を生じ、壊死性筋膜炎となります。生命予後は悪く、致死率は30〜40%です。

診断は起炎菌(原因となった菌)を同定すれば(見つけ出せば)確定されます。しかし、大半は同定が困難です。蜂窩織炎は抗生物質の投与で2週間前後で軽快します。しかし、抗生物質に反応がなく、病巣部が悪化すれば壊死性筋膜炎(別名、人食いバクテリア)を疑い、直ちにデブリードマンや病巣掻爬などの手術的治療を検討せねばなりません。

 たはら整形外科