前腕骨骨折

前腕骨骨折は、「橈骨骨折」と「尺骨骨折」と「橈骨骨折+尺骨骨折」の3つに分かれます。大半が外傷(転落や転倒など)の際に、肘を伸ばした状態で手をついて受傷されます。好発年齢(よく起こる年齢)は6〜8歳です。症状は骨折部の痛みや腫れ、変形を認めます。診断はレントゲン検査で確定されます。

治療:保存的治療(手術しない方法)が原則です。転位(ずれ)が軽度な骨折は、徒手整復術を行い、ギプス包帯で経過観察します。ギプスは出来るだけ回旋障害を残さない肢位で、上腕から指の根元まで巻きます。しかし、前腕骨の中央部の骨折では、前腕筋群や上腕筋群、骨間膜など種々の筋肉や筋膜、腱が付着しているため、転位(ずれ)し易く、整復位の保持が困難な症例をよく経験します。そのような症例は手術的治療(プレート固定や髄内釘固定など)を検討します。なお、広義には橈骨遠位端骨折橈骨遠位骨端線損傷も前腕骨骨折になります。時に、稀なモンテジア骨折(尺骨骨折+橈骨頭脱臼)を認めることもあります。

 たはら整形外科