橈骨頚部骨折は肘が伸びた状態で手をついて転倒した際に、関節に外反力が強制され橈骨頭と上腕骨小頭が衝突して骨折が発生します。6歳から13歳によく認められます。 症状・診断 肘の痛みや腫れで、痛みのために肘を動かそうとしません。診断にはレントゲン検査が不可欠です。しかし転位(ずれ)のない症例は見逃され易いので注意深い観察が必要です。 治療 転位のない症例や転位が軽度な症例は三角巾や数週間のギプス包帯で治療します。転位が著明な症例や将来、肘の変形や運動障害が予測される症例では全身麻酔を用いて徒手整復術を行い固定ます。しかしこれらの保存的治療(手術しない方法)で整復されない症例や粉砕例(バラバラになった骨折)は骨接合術(骨をつなぐ手術)が必要となります。時に小児期に放置され、成人になって偽関節や変形性肘関節症を来たし受診されることもあります。正確な診断と治療が必要です。なお、成人の症例は橈骨頭骨折・橈骨頚部骨折を参照されて下さい。
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