橈骨頭骨折・橈骨頚部骨折 橈骨頭骨折、橈骨頚部骨折は肘が伸びた状態で手をついた際に、肘に外反ストレスが強制され橈骨頭と上腕骨小頭が衝突して発生します。成人では橈骨頭骨折が多く認め、小児では橈骨頚部骨折の発生をよく見かけます。なお、橈骨頚部骨折についてはこどもの整形外科を参照されて下さい。 症状・診断 肘の外側部の痛みと運動障害を訴えます。転位のない症例(ずれのない症例)は見逃されることがありますので注意深い観察が必要です。骨折は受傷時の外反力と回旋力の程度によってT型とU型、V型に分かれます。 治療 1)保存的治療 大半は転位(ずれ)の少ないタイプのT型やU型です。ギプス包帯やギプスシーネで経過観察します。 2)手術的治療 転位のあるタイプのU型やV型は骨接合術が行われます。また、陳旧例(骨折を起こして時間が経過した症例)や転位が著明で骨接合術が困難な症例は橈骨頭切除術が検討されます。中には、高齢者で体力的な問題などで放置せざるを得ない症例も経験しますが、変形治癒(変形して固まった状態)になって痛みや運動障害などの自覚症状をを訴えない方もおられます。
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