橈骨頭骨折・橈骨頚部骨折

橈骨頭骨折、橈骨頚部骨折は、肘が伸びた状態で手をついて転倒した際に、肘関節に外反ストレスが強制され橈骨頭と上腕骨小頭が衝突して発生します。成人では橈骨頭骨折が多く、小児では橈骨頚部骨折の発生をよく見かけます(なお、橈骨頚部骨折についてはこどもの整形外科を参照されて下さい)。症状は肘の外側部の痛みと運動障害です。

診断レントゲン検査が不可欠です。転位のない症例(ずれのない症例)は見逃されることがありますので注意深い観察が必要です。骨折は受傷時の外反力と回旋力の程度によって、三つのタイプ(T型U型V型)に分類されます。

治療:転位のない(T型U型)はギプス包帯で経過観察します。転位のある(U型やV型)は、しばしば手術(整復固定術)が必要となります。しかし、陳旧例(骨折を起こして時間が経過した症例)や転位が著明で整復が困難な症例では橈骨頭切除術が検討されます。中には、高齢者の方で体力的な問題で、放置せざるを得ない症例も経験しますが、変形治癒(変形して固まった状態)でも、あまり症状を訴えない方もおられます。

 たはら整形外科