アキレス腱断裂

アキレス腱は下腿三頭筋(ヒラメ筋と腓腹筋)が合体して腱になったもので、踵骨後方突起に付着しております。アキレス腱断裂はスポーツ活動や階段の踏み外し、転倒などによりアキレス腱が一瞬にして急激に引き伸ばされて発生する場合と、慢性的な繰り返しの刺激や軽微なケガによって発生する場合とがあります。

症状:アキレス腱部に「バチィ、ボキィ」言う断裂音を認め、蹴られたような激痛と歩行困難を訴えます。診察では足関節の底屈(足首を蹴ること)ができません。断裂部に陥凹(へこんだ状態)を認めます。アキレス腱をストレッチすると痛みが増強します。また、下腿三頭筋(ふくらはぎ)を摘む足首が底屈しません(正常では足首が下方に反ります)。診断は理学所見(診察所見)でつきますが、超音波検査で詳細な情報を観察します

治療:保存的治療(手術しない方法)と手術的治療に分かれます。保存的治療はギプス固定(足首を最大限下方に垂らした状態で、いわゆるつま先立ちの状態で固定する)や装具療法があります。手術的治療は、直視下腱縫合術(切開してアキレス腱を縫合する方法)や経皮的腱縫合術(切開せずにアキレス腱を縫合する方法)、鏡視下縫合術があります。保存的治療と手術的治療にはそれぞれの良さがあり一長一短です。しかし、再断裂の発生率を考えますと、手術的治療が確実だと考えております。スポーツ復帰には6ヶ月程度を要します。

 たはら整形外科