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アキレス腱断裂について アキレス腱は下腿三頭筋(ヒラメ筋と腓腹筋)が合体して腱になったもので、踵骨後方突起に付着しています。アキレス腱断裂はスポーツ活動中や階段の踏み外し、転倒などによって、アキレス腱に強く引き伸ばされ、下腿三頭筋の収縮が同時に起こった場合や慢性的な繰り返しの刺激や軽微なケガによって発生する場合とがあります。 症状・診断 アキレス腱部に「バチィ、ボキィ」言う断裂音を認め、蹴られたような激痛と歩行障害を生じ、つま先立ち歩行が困難となります。診察では足関節の底屈(足首を蹴ること)ができません。断裂部に陥凹(へこんだ状態)を認めます。アキレス腱をストレッチすると痛みが増強します。また下腿三頭筋(ふくらはぎ)を握っても足首が底屈しません(正常では足首が下方に反ります)。診断は診察所見でつきますが超音波検査で詳細な情報を観察します。 治療 1)保存的治療 急性期は直ちにライスの処置を行います。部分断裂の症例ではギプス固定、装具療法で経過観察します。なお部分損傷の程度によっては手術を検討する場合もあります。 2)手術的治療 完全断裂の症例は一般的に手術的治療が行われます。術式は直視下腱縫合術(切開してアキレス腱を縫合する方法)、経皮的腱縫合術(切開せずにアキレス腱を縫合する方法)、鏡視下縫合術などがあります。 中には完全断裂されても保存的治療を望まれる方もおられますが、再断裂の発生率を考えますと、手術的治療の方がより確実だと思われます。スポーツ復帰には6ヶ月程度を要します。なお陳旧性断裂(長時間経過した症例)では移植腱を用いてアキレス腱形成術が行われます。
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