仙骨骨折・尾骨骨折
仙骨と尾骨は骨盤の一部です。仙骨骨折尾骨骨折尾骨亜脱臼は、尻もちをついたり、臀部を蹴られたり、交通事故やスポーツ外傷などの転倒や転落などで起こります。これらの骨折は、年齢を問わず小児でも発生しますが、特に、骨粗鬆症を有する高齢者では転倒で尻もしをつき受傷されます。脆弱性仙骨骨折(骨が脆いので軽微な外傷ですぐ折れる)をよく見かけます。

症状:椅子などに座った際、仙骨部や尾骨部の痛みを訴えます。ただし、尾骨骨折は立位や歩行時にあまり痛みを訴えません(歩行時は尾骨に体重が乗らないので)。仙骨骨折は、仙骨が骨盤と連動しているので歩行痛、体動時痛を訴えます。うつ伏せにして仙骨部、尾骨部を圧迫すると飛び上がるような痛みを訴えます。時に、仙骨骨折は神経損傷を認め、足の感覚障害や筋力低下、尿路障害などを認めることがありますので要注意です。診断はレントゲン検査で容易です。

治療:保存的治療が原則です。日常生活動作の指導を行います。椅子などに座る際、仙骨部や尾骨部が直接体重がかからないような姿勢を取っていただきます(上体を前に倒す姿勢など)。また、臀部や背部に円座やクッション性のあるものを置き、疼痛緩和に努めてください。なお、骨癒合(骨がつく)には2〜3ヶ月間を要します。手術的治療は長期間疼痛が改善されない症例や神経損傷を認める症例に検討されます。

 たはら整形外科