胸骨骨折

胸骨骨折
打撲などの外力によって発生します。胸骨は胸骨柄と胸骨体部、剣状突起に分かれます。多くは
胸骨体部の横骨折です。胸の中央部に痛みを訴えます。痛みは咳や深呼吸、体動時、寝返りなどで増強します。時に呼吸困難を訴え、気胸や血胸を認めることもありますので要注意です。

診断
転位(ずれ)のある症例は診断は容易ですが、転位のない症例(ずれを認めない症例)はレントゲンの撮影条件によって骨折線が発見できないこともよくあります。2〜3週間後の再検査で仮骨形成(骨がつき始める現象)を認めて確定診断されることもあります。また再診時に転位して発見されることもあります。なお呼吸困難を訴えられた際は、胸部レントゲンやCTで気胸や血胸の確認が必要です。

治療
保存的治療
(手術しない治療)が原則です。治療は肋骨骨折と同様で胸郭固定を行います。時に、陳旧例(遅く受診された症例)で変形治癒(骨が変形してついた状態)を経験することもありますが、日常生活に支障を訴えることはほぼありません。なお、気胸、血胸の発生を認める症例では胸腔内ドレナージ(空気の排気、血液の排液)が必要となるケースもありますので要注意です。


 たはら整形外科