生物学的製剤とは |
|
抗リウマチ剤は免疫の異常を正常化したり調整して、関節の炎症を沈静化させて関節の破壊を抑える薬ですが、生物学的製剤は関節に炎症を引き起こす原因となる炎症性サイトカイン(TNFーαやIL−6など)の発生や作用を抑える薬で、サイトカイン阻害薬とも呼ばれています。 *サイトカインには、炎症性サイトカイン(炎症を引き起こすサイトカイン)と抗炎症性サイトカイン(炎症を抑えるサイトカイン)とがあり、健常者では両者のバランスが保たれていますが、全身性の炎症性疾患である関節リウマチでは炎症性サイトカインが優位に産生されています。 *TNF - αは免疫や炎症に関与しているタンパク質で。IL- 6は抗体をつくることを促したり、骨を破壊する破骨細胞を活性化させる役割をもつタンパク質で、ともに関節の炎症や破壊の原因になります。 |
|
生物学的製剤の種類 |
|
日本では現在、保険適応となっている生物学的製剤は4剤で、炎症性サイトカンであるTNFーαを阻害する薬としてインフリキシマブ(商品名レミケード)やエタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)と、I-L6を阻害する薬としてトシリズマブ(アクテムラ)があります。 インフリキシマブ(レミケード) 3mg/kg程度を点滴静注します。初回に注射し、2回目は初回から2週間後に、3回目は6週間後に、4回目以後は8週間隔で点滴します。メトトレキサート(商品名リウマトレックス)の併用が必要です。 エタネルセプト(エンブレル) 10〜25mg程度を1週間に2回皮下注射します。 アダリムマブ(ヒュミラ) 40mg程度を2週間に1回皮下注射します。 トシリズマブ(アクテムラ) 8mg/kg程度を4週間隔で点滴静注します。 |
|
生物学的製剤の副作用 |
|
生物学的製剤の効果は良好ですが、免疫の働きを抑制するわけですから、時に、細菌性肺炎や結核などの様々な感染症や臓器障害が問題となります。その使用にあたっては注意を要します。また、薬剤費が高額なため、薬剤の効能効果、副作用、費用に関しての十分な説明と同意が大切です。
|