頭痛について

血管収縮させる片頭痛薬

エーザイは片頭痛治療薬「マクサルト錠」を24日に発売する。発作時に拡張した血管を収縮させる新しいタイプで、激しい頭痛を短時間で改善するという。 初年度で10億円、10年後に100億円の売り上げを目指し、主力とする中枢神経領域の製品力を強化する。 杏林製薬が米製薬大手のメルクから輸入した製品を仕入れて販売する。 通常の錠剤のほか、水なしでも口内で自然に溶ける崩壊錠がある。海外では78カ国で販売中。 同タイプの片頭痛薬は米系ファイザーや英系グラクソ・スミスクラインも販売しており、競争が激化しそうだ。(平成15年9月13日 日本経済新聞)

原因不明の頭痛、4人に1人うつ病

頭痛を訴え受診した人のうち、風邪などはっきりした原因がわからない患者の4人に1人が実はうつ病だった。 筑波大の前野哲博助教授(総合診療医学)がそんな調査結果をまとめた。頭痛などの症状にしぼって、うつ病の有病率を調べた例はこれまでほとんどない。高率の結果が出たことで、プライマリーケア(初期診療)でのうつ病発見の重要性が再認識された。 前野助教授は昨年1〜8月、日本総合診療医学会のメーリングリストで公募した全国の診療所や大学病院など22カ所で内科や総合診療科を受診した新規患者について調査。 頭痛や全身のだるさを訴えた患者のうち、風邪や肺炎など原因がはっきりしたケースを除く202人に対し、「精神疾患簡易構造化面接法(MINI)」と呼ばれる方法でうつ病のスクリーニング検査を実施した。 その結果、うつ病と診断された患者(軽症を除く)は頭痛を訴えた138人中36人(26%)、全身のだるさを訴えた144人中49人(34%)だった。「自殺の危険がある」と診断された患者も、頭痛患者の14%、全身のだるさを訴える患者の17%にのぼった。 さらに、症状の持続期間で患者を比較したら、頭痛が半年以上続いた患者は1カ月未満の患者に比べ、うつ病である確率が約7倍高いという結果が出た。 これまでも、内科の受診患者全体に対するうつ病の有病率は2〜6%との調査結果がある。 今回は症状をしぼり、他の原因の患者を除いたため、より高い有病率が判明した。 欧米の研究では、うつ病は一生のうちに6〜8人に1人がかかるとされる。 ところが、頭痛や全身倦怠(けんたい)などを伴うことが多く、患者は身体の病気を疑い、うつ病に気づかないケースも多い。 プライマリーケア医の見落としも少なくないという。(平成15年7月13日 朝日新聞)

片頭痛の原因遺伝子発見、イタリアの研究者グループが見つける

頭の片側がずきずきと痛む片頭痛の原因になる遺伝子を、イタリアの研究者グループが見つけ、米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表した。研究が進めば、頭痛を根本から取り除く治療法や薬剤の開発につながると期待される。 研究グループは、6世代にわたって家族などが片頭痛に悩んでいる人たちの協力を得て、その遺伝子を調べた。片頭痛は症状によっていくつかに分類されるが、これらの人たちは痛みの前兆として、キラキラした光が見える視覚異常のあるタイプだった。調査の結果、第1染色体の中にあるATP1A2という遺伝子の変異が、共通して見られることがわかった。 この遺伝子の変異がある細胞では、ナトリウムとカリウムの濃度のバランスが崩れ、細胞が丸く膨れる興奮状態になり、激しい痛みを引き起こすという。(平成15年1月28日 読売新聞)

緊張型頭痛の患者で約6割にめまい症状

国際分類の診断基準では、緊張型頭痛がめまいを伴うことが記載されていない。しかし、日常診療では緊張型頭痛の患者で約6割にめまいの症状が存在した−−。太田熱海病院神経センター神経内科の山根清美氏が22日、「緊張型頭痛におけるめまいの臨床的検討」と題して報告した。山根氏は、日常診療で緊張型頭痛の患者が何らかのめまいを主訴とすることが少なくないことに着目。緊張型頭痛患者を対象に、めまいの頻度、めまいの性状などを調べた。対象は同診療科目を受診し、緊張型頭痛と診断された114例。男性が39例、女性が75例。年齢は16歳から86歳で、平均年齢は61.2歳だった。その結果、114例中めまいが存在したのは68例(59.6%)で、約6割と高率だった。性状を分析したところ、回転性めまい(verigo)が43例(63.2%)、浮動性めまい(dizziness)が25例(36.8%)だった。この結果から山根氏は、成書にはめまいの原因の鑑別診断に緊張型頭痛を挙げているものは「極めて少ない」(山根氏)ことから、「臨床的にめまいの原因の鑑別に、緊張型頭痛を念頭におくことが重要」と強調した。(平成14年11月25日medwave)

頭痛がボツリヌス菌で緩和

ボツリヌス菌の出す毒素をもとに作ったしわ取り治療薬「ボトックス」を注射すると頭痛が劇的に改善することがわかった。17日、米西部ワシントン州で開催中の米国頭痛学会で発表された。薄めた微量のボツリヌス毒素を用いる「ボトックス」は眉間(みけん)や額などのしわ取り治療薬として4月に米食品医薬品局(FDA)が認可した。しわの部分に注射すると筋肉がまひし、表面のしわが薄くなる効果がある。この治療が広まるにつれ、しわを取った人から「なぜか頭痛も解消した」という声が相次いだ。これを受け、米南部にあるヒューストン頭痛クリニックのグループが112人の慢性片頭痛患者に1―5回注入したところ、75%の患者に効果があった。(平成14年6月18日 読売新聞)


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