腰椎牽引療法は、腰の牽引(引っ張る作用)と休止(緩める作用)を繰り返すことにより腰部の筋肉や筋膜由来による痛みや腰椎症性変化によって起こる痛みやシビレを緩和する治療法です。 筋肉や筋膜由来の痛みは、牽引によるストレッチ作用で腰部の筋肉や筋膜、靭帯の緊張が取り除かれ痛みが緩和されます。 腰椎症性変化由来の痛みは、牽引によって椎間関節の不適合性が改善され、椎間板変性による椎間孔(神経の出口)の狭窄が拡大され、局所の疼痛や椎間板性の痛み及び神経性の痛みが緩和されます。 なお、腰椎の牽引時は腰部の過度な前弯(腹を前に弓状に反った姿勢)を取り除くことが重要です。そのためには、股関節と膝関節を中程度曲げた状態で牽引します。牽引力は体重の半分(体重50kgの人は25kg)を目安とし10分間程度行います。必要以上に牽引力を増したり、牽引時間を延長したりしますと逆に腰背筋に異常な緊張をもたらし、症状が悪化することがありますので要注意です。
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