有痛性外脛骨

外脛骨
外脛骨は、足の舟状骨の内側に発生する種子骨の一種です。種子骨とは先天的に発生した小骨片で、関節包の周囲や腱などの中に存在し、摩擦の軽減に関与します。正常な子供は、外脛骨を持っておりません。外脛骨は子供の15%程度に認められます。8〜9歳頃にレントゲンで確認されます。

有痛性外脛骨とは、打撲や捻挫などの外傷(ケガ)やスポーツ活動で外脛骨周辺の関液包や腱鞘、軟骨が炎症を起こして痛みを訴える疾患です。症状は土踏まず内側部の痛みと腫れです。痛みは歩行時やスポーツ活動時に増悪し、安静にて軽快します。

診断:レントゲン検査で確定されます。外脛骨は3つのタイプに分かれます。タイプ1は外脛骨が舟状骨と離れているもの。タイプ2は外脛骨が軟骨板で舟状骨と結合しているもの。タイプ3は外脛骨と舟状骨が完全に癒合しているものです。最も多いのはタイプ2です。

治療:原因となったスポーツ活動を短期間中止していただきます。物理療法を指示し、足部のストレッチング筋力強化訓練を指導します。疼痛緩和に短期間のアセトアミノフェン、炎症緩和に非ステロイド性抗炎症剤外皮用薬などを処方します。慢性化した頑固な症例はインソール(疼痛部に体重がかからないようにする中敷き)を検討します。大半はこれらの治療で改善します。手術的治療(形成術、摘出術、骨切り術)が必要となる症例は稀です。

 たはら整形外科