上腕骨骨幹部骨折は乳幼児期では外傷(転倒や転落など)によって発生しますが、学童期や思春期では投球動作や腕相撲などのスポーツ活動で発生します。運動中の強烈な筋肉の牽引力によって発生します。 症状・診断 痛みや腫れ、皮下出血、運動障害です。完全骨折例では異常可動性(腕がぐらぐらする状態)を認めます。時に橈骨神経麻痺(手首や指が伸びなくなる状態)を合併することもあります。診断はレントゲン検査で確定されます。外傷では上腕骨中央部の横骨折を多く認めます。スポーツ傷害ではらせん骨折や斜骨折のタイプをよく見かけます。 治療 保存的治療(手術しない方法)が原則です。乳幼児では自然治癒能力が旺盛なので簡単な固定として三角巾や装具やギプス包帯などで経過観察します。学童期や思春期の転位(ずれ)のない症例も三角巾やベルト固定、バストバンド固定を行います。症例によってはFunctional braceで経過観察します。転位が著明な症例や神経損傷や血管損傷などを認める症例は手術的治療(プレート固定や髄内釘固定など)を検討します。成人の症例は大人の上腕骨骨幹部骨折の項を参照されて下さい。
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