鎖骨骨折は乳幼児では遊んでいる時、学童児ではスポーツ活動中に転倒してよく起こります。大半が鎖骨の中央部の骨折です。 症状・診断 鎖骨部の痛み(幼児では泣いて腕を全く動かしません)や腫れ、変形(骨折部がずれて突出した状態)を認めます。診断はレントゲン検査で確定されます。 治療 保存的治療(手術しない方法)が原則です。手術的治療を必要とする症例はほぼありません。小児は旺盛な自然治癒能力があるため、多少の転位(ずれ)を認めても容易に骨癒合(骨がつく状態)します。また成人の鎖骨骨折と違って合併症(骨折の破片によって神経や血管が圧迫され、腕に麻痺や血行障害を来たす状態)を伴うことは稀です。乳幼児は八の字包帯固定を行います。学童児や青年では鎖骨バンド固定で治療します。固定期間はレントゲン検査にて骨癒合の状態を観察し判断いたします。一般的に骨癒合に1〜2ヶ月間を要します。なお成人の鎖骨骨折についてはおとなの整形外科を参照されてください。
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