足関節捻挫 (靭帯損傷と剥離骨折を含む)



足関節捻挫は、足首が
回外捻挫(内がえし)や回内捻挫(外がえし)されて軟部組織や靭帯や骨などを損傷する疾患です。足関節捻挫は3つのタイプに分かれます。

分類


単なる捻挫のタイプ

靭帯損傷や剥離骨折がないタイプです。

靭帯損傷のあるタイプ

脛腓靭帯と外側側副靭帯(前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯)と内側側副靭帯(三角靭帯)の損傷があります。

大半は
内がえしが強制されて起こる外側側副靭帯損傷です。特に強度の弱い前距腓靭帯をよく見かけます。

所見は、内返しにて疼痛、不安定性を訴え、前方引き出しテスト陽性を認めます。

診断は、レントゲン検査と超音波です。レントゲンでは受傷機転(ケガをした時の足首の状態)を再現する
ストレスレントゲン撮影が大切です。

超音波検査は動的に靭帯の損傷が観察できるので非常に有益な情報が得られます。


剥離骨折のあるタイプ

大半が回外(内がえし)が強制されて起こる外果剥離骨折です。

診断は
ストレスレントゲン撮影が大切です。時に回内(外がえし)が強制されて起こる内果剥離骨折もあります。陳旧性(昔骨折した破片)のタイプもありますので注意深く観察して下さい。

なお
過剰骨・副骨(胎生期の遺残物で癒合できずに分離した状態の小骨片)との鑑別にも要注意です。

治療

1)保存的治療(手術しない方法)が原則です。

受傷直後は
ライスの処置を行います。

単なる捻挫では安静を指示し、疼痛緩和に
外用剤アセトアミノフェンを短期間投与し経過観察します。

靭帯損傷や剥離骨折の症例では
ギプスシーネギプス包帯を行います。なお骨と筋肉の萎縮(衰え)を防ぐためにギプス固定のまま歩行を許可します。固定期間は2〜4週間程度とします。

ギプス除去後は物理療法運動療法
足首のストレッチング足首の筋力強化)を指導します。

なお剥離骨折の症例は骨癒合が完了する(骨がつく状態)まで、しっかり固定する必要があります。中途半端な固定は、遊離骨片(骨がつかない状態)になることがありますので要注意です。

2)手術的治療

遊離骨片が大きい症例や遊離骨片が原因で疼痛を有する症例は、手術(骨接合術や形成術など)が行われます。

なお、小児の足関節果部骨折も参照されて下さい。

■患者さんからよく「テーピングはいかがですか?」と尋ねられることがあります。

テーピングは皮膚にします。骨や靭帯にするわけではありません。15分程度で汗のため粘着力が落ち固定力がなくなります。重度の靭帯損傷や剥離骨折の症例にはお勧めできません。
サポーター固定も同様と考えます。


 たはら整形外科