第5中足骨基部骨折は足部の捻挫の際に内反(内がえし)強制されて発生します。日常よく遭遇する骨折の一つです。昔は高下駄を履いた人が捻挫して起こしたため、別名「下駄骨折」と呼ばれていました。 症状・診断 足部外側の痛みと腫れ、歩行障害です。診察では第5趾の中足骨の根元に著明な圧痛を認め、内反ストレス(内がえし)を加えると激痛を訴えます。診断はレントゲン検査の2方向撮影(正面像、斜位像)で確定されます。しかし、骨折が見当たらなくても受傷機転(ケガをした状態)を再現したストレスレントゲン撮影で骨折が判明されることがよくあります。また治療方針の決定(手術するかどうか)の判断にもなります。ストレスレントゲンで骨片の転位(ずれ)を認めると手術の適応になります。 時に過度なスポーツ活動(陸上選手など)の繰り返しの負荷により発生する第5中足骨基部疲労骨折を経験することもあります。 治療 保存的治療(手術しない方法)が原則です。転位のない症例や転位が軽度な症例はギプスシーネや装具療法などで治療します。転位が著明な症例は骨接合術を行います。
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