指の脱臼
(IP関節脱臼・DIP関節脱臼・PIP関節脱臼・MP関節脱臼)

指の脱臼は、スポーツ外傷や転落、転倒により簡単に起こります。指の関節は、母指では指先から数えて一番目の関節を「IP関節」と言います。第2指から第5指では指先から一番目の関節を「DIP関節」と言い、指先から二番目の関節を「PIP関節」と言い、すべての指の付け根の関節を「MP関節」と言います。これらの関節に過伸展が強制(関節が無理に反らされた状態)されると、IP関節脱臼DIP関節脱臼PIP関節脱臼MP関節脱臼が発生します。大半が背側へ脱臼します。時に、掌側への脱臼もあります。

症状:痛みや腫れ、変形と運動障害です。時に、開放性(キズを伴った)脱臼で受診される場合もあります。診断はレントゲン検査の2方向撮影(正面像と側面像)にて容易に確定診断されます。しかし、MP関節の脱臼は、他の指と重なり2方向撮影だけでは見逃されることがあります。斜位像を撮って観察することが大切です。受傷後早期の症例では徒手整復後、2〜3週間のアルフェンスシーネ固定プラスチックシーネ固定を行います。しかし、長時間放置された症例や軟部組織が関節内に介在した症例では、徒手整復が困難で手術的治療(切開して介在物を除去し整復する)が必要となることもあります。

 たはら整形外科