舟状骨骨折



舟状骨骨折について


舟状骨骨折
は手根骨(手首を形成している8個の骨)の中でよく遭遇する骨折です。しかし、見逃されやすい骨折でもあるので要注意です。転倒した際に手首の背屈(手首の反り)が強制され有頭骨と橈骨茎状突起が衝突して骨折します。転位(ずれ)のない症例(安定型骨折)と転位を認める症例(不安定型骨折)と剥離骨折に分かれます。

症状・診断
手首の
snuff box(親指側で手首に凹みのある所)の痛みを訴え、握力の低下や運動障害を認めます。診断はレントゲン検査(正面像、側面像、斜位像)で確定されますが、軽度の骨折ではストレスレントゲン撮影で判明されることが多々あります。なお詳細な情報はMRICTで判断されます。

治療
1)保存的治療
転位(ずれ)のない症例は
ギプス固定装具療法骨癒合(骨がつく状態)が得られます。

2)手術的治療
転位を認める症例で、骨折の部位によっては骨片への血流が断たれ偽関節(骨が完全につかない状態)なる場合があります。したがって損傷部位や転位の程度によって手術的治療が必要となります。術式は
内固定術(直視下か鏡視下で骨をつなぐ手術)が行われます。なお陳旧例(治療されずに長期間放置されていた症例)は骨移植術が検討されます。


 たはら整形外科