軟部腫瘍

・軟部腫瘍は骨と関節を除いた組織(脂肪細胞や神経細胞、血管、筋細胞、組織球、リンパ細胞、滑膜細胞など)から発生する腫瘍です。

・良性軟部腫瘍と悪性軟部腫瘍と中間群腫瘍に分かれます。

・原因は不明ですが遺伝子的素因が考えられる腫瘍もあります。


1)良性軟部腫瘍

・良性軟部腫瘍は脂肪腫が最も多く認められます。

・次に神経鞘腫、血管腫、腱滑膜巨細胞腫、線維腫、弾性線維腫、平滑筋腫、神経線維腫、結節性筋膜炎、粘液腫などを認めます。

症状
・大半は無症状です。

・痛みなどはなく、柔らかい出来物です。

・周囲と癒着がなく、スムーズに可動します。

・時に神経が圧迫され、としびれや運動障害を訴えます。


治療
・悪性の可能性がなく、症状がなければ経過観察します。

・痛みやシビレを認め、急速に大きくなる症例では、MRIや病理組織検査(針生検術、切開生検術、切除生検術)を行います。

・病理組織検査次第では腫瘍摘出術を行うことがあります。


2)悪性軟部腫瘍
・悪性軟部腫瘍は脂肪肉腫が最も多く認められます。

・次に未分化多形肉腫、粘液線維肉腫、平滑筋肉腫、骨膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、横紋筋肉腫、線維肉腫、骨外性ユーイング肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、類上皮肉腫、低悪性度線維粘液性肉腫、血管肉腫、胞巣状軟部肉腫、明細胞肉腫などがあります。


症状
・痛み、腫れ、運動障害です。

・痛みは体動時のみならず安静時にも認められます。


悪性を疑う所見
①腫瘍が急速に大きくなる症例
②痛みを伴う症例
➂部位が深部で辺縁がいびつな症例
④固く可動性がない症例
⑤大きさが5cm以上の症例、レントゲン検査で石灰化像を認める症例などでは悪性を疑います
。

診断
・レントゲン検査に加え血液検査(腫瘍マーカーなど)、超音波検査、骨シンチグラフィー、CT、MRI(造影MRI)、PET、遺伝子検査などが行われます。

・確定診断には病理組織検査(針生検や切開生検、切除生検)です。

治療
・腫瘍の種類や部位、大きさ、周囲への浸潤度、悪性度、転移の有無、合併症などを考慮します。

・疼痛管理は
WHO三段階除痛ラダーを参照します。

・治療は術前・術後の化学療法、放射線療法(重粒子治療など)、手術的治療が検討されます。

・手術は腫瘍摘出術を行います。

・広範切除術(腫瘍組織の外縁から正常組織を含めて摘出する方法)が選択されます。

・四肢に発生した悪性軟部腫瘍は切除後に骨移植術、人工関節などで欠損部を補い、出来るだけ四肢の機能を温存するように努めます。


3)中間群腫瘍
・中間群腫瘍は、デスモイド型線維腫が最も多く認めます。

・次に隆起性皮膚線維肉腫や孤立性線維性腫瘍、Dupuytren型線維腫症、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、血管内皮腫、類血管線維性組織球種、乳児線維腫症、低悪性度軟部巨細胞腫、化骨性線維粘液性腫瘍などがあります。

治療
・悪性化の可能性があれば、悪性腫瘍に準じて治療されます。



 たはら整形外科