膝蓋前滑液包炎

膝の滑液包とは
膝の周囲には15個程度の滑液包があります。滑液包は関節内の滑膜に似た組織です。滑液包の作用は腱や靭帯から受ける衝撃を吸収し摩擦を軽減し機械的な刺激や圧迫を緩衝しています。しかし何らかの原因で滑液包が炎症を起こすと反応性に滑液が増え、脹れや痛みを引き起こします。膝周辺の代表的な滑液包炎として膝蓋前滑液包炎があります。


膝蓋前滑液包炎
膝蓋前滑液包炎とは
打撲や機械的な刺激(膝立ちやお皿をこする作業)などで膝蓋前滑液包(お皿と皮膚の間にある滑液包)が炎症を起こし滑液が溜まる疾患です。大半は腫れを認めるのみで痛みはありません。しかし巨大化すると、握り拳程度の大きさとなり、外見上や日常生活動作に支障を来します。

治療
1)保存的療法(手術しない方法)が原則です。
痛みや不快感を訴える症例では
滑液を穿刺して経過観察します。

2)手術的治療
慢性的に巨大化した症例はドレナージ法(小さな切開を加え、チューブを滑液包内に挿入し、常に滑液を排液することで滑液包を癒着させる方法)を検討します。膝蓋前滑液包が化膿した症例では切開排膿(切って膿を出す手術)や病巣掻爬術(滑液包摘出術)が行われます。



 たはら整形外科