頸椎の解剖(首)

頚椎は7個の椎骨からなり前方部分と後方部分で構成されています。前方部分は椎体と椎間板、ルシュカ関節、横突起よりなります。後方部分は椎弓根と椎弓、椎間関節、棘突起より構成されております。

前方部分と後方部分で囲まれたスペースを
脊柱管(脊髄が通っている管)と言います。脊柱管の中には頚髄首の脊髄が存在し、頚髄から左右8対の頚神経が枝を出しています。頚神経は椎間孔(頚神経が出で行く穴)から出て腕神経叢となり頚部から肩〜上腕〜前腕〜手指へと下って行きます。

頚部の靭帯は前縦靭帯、後縦靭帯、黄色靭帯、棘上靭帯、棘間靭帯があります。周囲の筋肉と協調して、頚部の安定性と保護の役割を担っています。血管系では椎骨動脈が脳に向かって上行し、脳底動脈へ合流します。さらに頚部の前面では交感神経が周囲の臓器とネットワークを構築し、頚神経と複雑な連絡網を形成しています。


頚椎は4〜6kgの頭蓋骨(スイカ程度の重量)を支え脊髄を保護し、頸部周辺の筋肉は下垂している腕を上方へ吊り上げる機能を担っています。すなわち頚部は重い頭を支え腕を引き上げているために、常にストレスに曝されています。また頚椎は胸椎のように肋骨でガードされておらず、腰椎のように強靭な筋肉(腹筋や背筋)によって保護されていないため、非常に不安定な臓器と言わざるを得ません。そのため頚椎は加齢的な変化や首の不良姿勢、軽微な外傷、スポーツ傷害によって容易に頚椎症性変化を生じ、さまざまな頚椎疾患を発生させます。


 たはら整形外科