踵骨骨端炎

踵骨骨端炎は、ランニングやジャンプなどでアキレス腱と足底腱膜の牽引力によって、踵骨の骨端部(かかとの軟骨部)に炎症を起こし痛みをもたらす疾患です。時に、外傷(打撲など)をきっかけに発症することもあります。男子に多く、女子の2倍です。好発年齢は10歳前後です。骨端核は男の子は7〜8歳、女の子は4〜7歳で出現し、15〜17歳で骨端線が閉じ大人の骨になります。そのため骨端線を認めない大人にはない疾患です。

症状:運動時や運動後の踵(かかと)の痛みです。悪化すると歩行障害を認めます(痛みのために踵がつけず、つま先立ちで歩行されています)。レントゲン検査で骨端核の異常(分節化、硬化像、扁平化)を認めます。治療は大人になって骨端線が閉鎖すれば必ず治ることをよく説明します。

治療:当面の疼痛緩和にスポーツ活動を一旦中止していただき、アキレス腱のストレッチング外皮用薬の軟膏を用いて足底腱膜のストレッチマッサージをしていただきます。また、痛みを誘発しないような靴(腱の緊張を取るため少し踵の高いクッション性のある靴)を着用をすすめます。スポーツ復帰を早期に望まれる方にはインソール(骨端核、骨端線に体重が乗らないようにする中敷き)を勧めます。大半はインソールで改善されます。

 たはら整形外科