スポーツ障害による骨盤剥離骨折
骨盤裂離骨折は、スポーツ活動によって、筋肉の急激な収縮や慢性的な繰り返しの動作により、筋腱が付着している骨盤の一部が裂離骨折(剥ぎ削がれるような骨折)を起こす疾患です。野球やラグビー、サッカー、陸上競技などの全スポーツの選手に起こります。

骨盤の剥離骨折は、上前腸骨棘剥離骨折、下前腸骨棘剥離骨折、坐骨結節剥離骨折、腸骨稜剥離骨折などがあります。上前腸骨棘に大腿筋膜張筋と縫工筋が付着しており、下前腸骨棘に大腿直筋が付着しており、坐骨結節にはハムストリングが付着しており、腸骨稜に腹横筋と内腹斜筋付着しております。これらの筋腱の過度な慢性的な刺激や牽引、ストレスにより剥離骨折が発生します。症状は骨折部の痛みと運動障害、歩行障害です。診断はレントゲン検査で容易です。詳細な情報収集にCTが必要です。

治療:保存的治療が原則です。転位(ずれ)がない症例は、スポーツ活動を中止していただき、定期的なレントゲン検査で骨癒合が得られるまで注意深く観察します。なお、早期にスポーツ復帰を望まれる症例は、転位が軽度でも手術の対象となる場合もあります。転位の強い症例は手術的治療(スクリューなどで固定する手術)を行います。一般的にスポーツ復帰するまでに3~6ヵ月間を要します。

 たはら整形外科